良い天気に恵まれので、情熱大陸の取材にも熱が入ります。こんなにも長い間、パラグライダー選手の一人、平木啓子さんを取り上げているので、平木さんの魅力のみならず、ワールドカップのこと、世界のパラグライダー状況、日本人なんて滅多に来ないような南米コロンビアの田舎街ロルダニニョのことetc・・・とても面白いと思います。
2月10日放映が決定したようですのでぜひご覧ください。
さて、タスクは83km。テイクオフを中心とする3kmシリンダーをスタートして、山沿いに40km北上のあと13km南下、東へ13km先の対岸のターンポイントのあと4km北上し最後のターンポイントを取ったら12km南のゴールへ向かうレースです。
時間が10:20ウインドウオープン、11:20エアスタートが発表されました。
風が良いです。最終日だということもあって、みんなアグレッシブに飛びたいという気持ちが表れています。
僕も勢いよくテイクオフしました。
スタートまでの時間はいつものように雲をよけながら、それぞれの思惑が交錯します。
北のターンポイントのあと、セカンドグループにいた僕は、山に戻るトップグループとは反対側の沖を進みます。そのコースが裏目に出て、セカンドグループの中でも山に戻ったパイロットからかなり遅れることとなりました。
最後のターンポイントを取って、残り10km辺りからファイナルグライドに入りました。
届くかどうか微妙です。グライドパスではゴールが上がったり下がったりして見えます。
「そういえば、ゴールは前回ゴール手前300mでショートしたところやん!?」
と、嫌なことを思い出してしまいました。
「だめだめ、プラス思考で・・・届くはず・・・」
GPSでは70mの高さでゴールに届くと言っています。それを信じて、タイムシリンダーまでフルアクセルで向かってその後はゆっくりあげ直してゴールまで届かせる作戦で向かいます。
2kmほど手前で大きなシンクにはまります。
「どうせたいした順位でもないし・・・えーい、行っちゃえ!!」
シンクにはまりながらスピードセクション通過!!
その先に鳥がセンタリングしているのが見えて、リフトを得ながら飛んで・・・対地高度70mでゴールできました。
順位は60番台と遅かったですが最終タスクもゴールできて嬉しかったです。
長いPWCスーパーファイナルの全タスクが終了しました。結果は38位ですが、昨年の76位からランクアップ出来ました。
表彰式…女子では平木さんが3位と大健闘でした。
総合では10本のうち4本もタスクトップをとったルカ ドニーニを抑え、絶えずベスト10に入る平均した強さのアーロン ドルガッティが優勝しました。
スピードも必要ですが、ミスをしない正確さが長期戦では必要だという結果に思えました。
僕自身にはまだまだ勉強が必要ですが、手応えがありました。
2週間という長い間、コロンビアで頑張れたことはひとえに皆様からの温かいご声援をいただいていたからこそです。
本当にありがとうございます。
また、今後もますます頑張りたいと思います。これからの引き続きご声援をどうぞよろしくお願いします。
テイクオフに着くとすぐにタスクボードがセットされました。内容は79kmでテイクオフから北へ4kmほど先のスタートシリンダーに入ったあと、南へ45kmのターンポイントA06の400mシリンダーに入り、次は同じA06の15kmシリンダーの外に出て、A06にゴールです。
出ました!!オプションが豊富なタスク!!PWCでしか経験できないタスクです。
どこでEXITしようか迷うのですが、その反面、挽回のチャンスもあります。不安だらけですが、状況に応じて良い選択ができるよう
「焦らないで行こう」
と、自分に言い聞かせます。
時間が発表されました。10:15ウインドウオープン、11:30スタートです。
いつもあるはずのハウスサーマルポイントは上がらずとても渋そうでしたが、フローが時折入るので早くテイクオフしました。
飛んでわかったのですが、基本的に裏風でとても乱れていました。4km先のスタートシリンダーがとても遠く高さを維持するのがむつかしく感じました。
スタート時間になりました。少し遅れましたが、その分、良いコースを選べました。
A06に入り、グループの動きを見ます。トップグループは雲が成長しきった山の方へ向かいます。しかし、少数派が沖狙い・・・僕はグループの後ろをついて行っても挽回はないし、何しろ成長しきった雲が日照を遮ってしまうので、沖を選択しました。
少数でしたが、沈まないコースを飛ぶことが出来、EXITは成功でした。ゴール手前10kmで高度を稼いでファイルグライド・・・と、行きたところですがGPSは届かないと言っています。
昨日の失敗があるので、あともう少し上げようと、5km手前で渋いサーマルで100mほどあげ直してファイルグライド!グライドパスではギリギリ届きそうです。スピードセクションシリンダーまでフルアクセルで進みます。
「何とか届いてくれ!!」
あとはゴールシリンダーです。スピードを緩めて慎重に向かいます。
今日は無事にゴールに届きました。
ご声援ありがとうございます。
明日のラストタスクも頑張ります。
引き続きご声援をよろしくお願いします。
最終的に77kmのタスクとなりました。山岸のスタートはなく沖9km先のスタートです。その後18km先の北のターンポイントの後、南側60先のゴールを目指すレースです。
11:15ウインドウオープン、エアスタート12:15。9km先のスタートまで1時間しかありません。コンディションが渋いのでスタートだけでもむつかしそうです。
前のタスクで上位15、女子上位5人が優先権があり、どんどんゲートに入って来るので、早く出たいと思っても中々順番が回って来ません。
風がほとんどないので失敗する選手も多かったので、やってきた順番を無駄にしないように慎重にテイクオフしました。
渋いし雲底高度も低いですが、スタートポイント目指して集団で動きます。おそらくトップグループだと思われるグループと移動しますが、スタートポイントのシリンダー手前5kmほどで僕だけサーマルに乗り遅れてしまいます。
「もっといいところはないか…。サルサールならあるかも・・・。」と、昨日まで飛び慣れていてサーマルポイントもだいたい頭に入っている街へと向かいました。スタートまであと5分を切りました。先ほど置いて行かれたトップ集団は渋いながらも距離を進めスタートには間に合いそうです。
焦る気持ちを抑えながらサーマルを探して・・・HIT!PWCの選手たちは目ざとく、僕一人だけかと思っても誰かがサーマルのにおいをかぎつけ寄ってきます。サーマルのコアを探すのは二人で十分。かなり良い上昇風に当たって雲底まで上げてクラウドベースの吸い上げを受けながらスタートポイントを目指します。トップ集団がスタートを切ってリターンするのが見えましたが、高度と風上側という位置的に優位だと言い聞かせ5分以上遅れてスタートを切ります。
案の定、帰り際に吸い上げの恩恵を受け、次のターンポイントまで10kmのあたりでトップグループに追いつきました。そこからは次のクラウドベースについて超高速で移動できました。
が、しかし、雲がなくなってから選択肢が二手に分かれます。僕の思っているコースは昨日降りた煙突サーマルが期待出来る直進なのですが、トップグループは右に90度以上コースを変えます。まっすぐだと思っていた僕は戸惑い、上がるかどうかはっきりしないサーマルで迷ったあげく、90度以上曲がることになってしまいました。
これが、今回の反省点になるのですが、なぜ後に戻るような選択をしたのか・・・?思い切った勝負ポイントが場面場面であり、良い選択をしていかなくてはなりません。グループの後について飛ぶだけでは勝負しているとは言えません。自分が思っているコースに勝負に出ることも必要だと思ったのです。
後悔先に立たず・・・90度以上曲がったところのガグリングに入るも、もうサーマルの下の方で上りが悪く、低いまま進むことになります。そして進んできたコースが、あの煙突サーマルのところでした。時間も高度もロスして結局自分が最初に選ぶべきだったコース上を飛ぶことになろうとは・・・
煙突サーマルで雲底につけてからは日照がなく滑空比競争になり58km付近で降りてしまいました。
サトウキビ畑に降りたのですがすぐに子供たちがやってきます。
畑の中は牛さんたちも放し飼い。驚かせてごめんね。
この日、トップグループの中の数人が70kmを越えたようです。また、僕が降りた後に日照の復活を待って68kmまで距離を伸ばした廣川選手がタスク4位と大健闘でした。
この晩、僕は腹痛に襲われ1時間ごとにトイレに駆け込むことになりました・・・。正露丸を飲んでもおさまることを知らないこの激痛・・・。正露丸を夕食後に飲んで、深夜にも飲んで次の日を迎えることになったのでした。